RNAの調製方法
RNAは、大変分解されやすい性質を持っている。また、全ての生物がRNaseと呼ばれる、極めて強力かつ安定なRNA分解酵素を持っており、RNAは、積極的に分解される。そこで、RNAを組織や細胞から精製するためには、二つの戦略が用いられる。
1.
RNase阻害剤を用いたり、変性条件でRNAを精製することで、RNaseによるRNA分解を抑制する。
2.
RNAを分解酵素から速やかに分離する。
RNAには、rRNA、tRNA、mRNAなどがある。真核生物の殆どのmRNAは、転写後修飾により5’-端にCAP構造、3’-端にポリアデニル化がなされている。そこで、ポリAを標識にしてmRNAを取ってくることが出来る。
mRNAの精製
1.
全RNAをオリゴdTセルロース(もしくはオリゴdTラテックス)と混合する。
2.
mRNAは、ポリAが付いているので、ポリAに相補的な配列であるオリゴdTに結合する。
3.
蒸留水で抽出するとmRNAが溶出される。