リン酸の定量
Bartlett法(J.Biol. Chem. 234, 466- (1959))
試薬調製
Molybdenum試薬 (0.84% モリブデン酸アンモニウム in 1.0M H2SO4)
蒸留水 97mlに、濃硫酸2.8mlを滴々添加する。
モリブデン酸アンモニウムを0.84 g 加え、溶解する。
Fiske-Subbarow's試薬
NaHSO3 (亜硫酸水素ナトリウム) 1.55gを秤量し、15mlファルコンチューブに取り、蒸留水で9.5mlにメスアップする。
1,2,4,-aminonaphthol sulfonic acid 25 mgと1M NaOH 0.4mlを添加・溶解し、10mlにメスアップする。
標準試料:3 mMリン酸カリウム
試料調製
リン酸化合物を定量する。
核酸であれば、リン脂質などを除去する。
試料をフェノール・クロロフォルムで攪拌し、水層の核酸を分取する。
水層にイソプロパノールを1vol添加し、核酸を沈殿させる。
沈殿を70%エタノールでリンスし、沈殿を乾燥させ、蒸留水に溶解する。
リン脂質をリン酸で定量する。
試料に1volの1M-HClと2volのクロロフォルム・メタノールを加え攪拌し、脂溶性物質をクロロフォルム層に抽出する。
試料の代わりにDWで同様の操作をした水層の1volを、先に得たクロロフォルム層に添加し、攪拌後、水層を除去する。
クロロフォルム層を減圧乾固する。
過塩素酸で湿性灰化し、リン酸を生成する。
pyrex試験管に、試料0.1mlと70%過塩素酸0.4mlを加える。
200°で20分加熱し、室温まで放冷する。
正リン酸を定量する。
試料をDWに溶解する。
必要であれば、脂質をC-M抽出で除去する。
それ以外
測定操作
DWで溶解したリン酸試料を50 μl添加し、2Xシリーズで系列希釈する。
Fiske-Subbarow試薬をmolybdenum試薬で10x希釈し、それぞれのウェルに50μlずつ加える。
37°で1時間反応し、A820nmで吸光度を測定する。A600nmで吸光度を測定した場合、以下のようなグラフになる。
試薬
Malachite green reagent |
|
malachite green oxalate |
30mg |
Na molybdate |
0.2g |
Triton X-100 |
50mg |
DW |
94ml |
Conc HCl |
5.8ml |
秤量溶解して、室温1時間放置する。暗所冷蔵保存 |
測定方法
リン酸溶液 100ulにmalachite green 100ulを添加し、室温20分放置する。
A630nmで吸光度を測定する。マイクロプレートリーダ(595nm)で測定しても良いが、吸光度は約1/3に低下する。
595nmの吸収は、630nmの吸収の80%程度だが、マイクロプレートリーダの光路が浅いので、吸光度が低く出てしまう。
630nmで1.0の吸光度を示すリン酸はおよそ2.1 nmolesである。