2 学校法人明治薬科大学では、令和5年10月に於いて、大学経営・運営に関わる評議員並びに理事・監事の4年間の任期満了に伴い、寄附行為の規程により、「維持員」による評議員選挙が実施されました。その結果、引き続き、私、佐川賢一が2期目の第12代理事長に推挙されました。改めましてご挨拶を申し上げます。 私は新たに選出された評議員との協働体制のもと、11名の理事とともに一人ひとりの責務が充分に果たされるよう一丸となって、山積する多くの課題解決に取り組み、実効性のある大学運営をはかり、更なる大学の発展に尽力してまいります。 近年、大学経営に直接影響を及ぼす18歳人口の構造的減少が加速度的に進んでいる状況下、学生や若者は都心に集まる傾向にあり、今後は益々ローカルな地にある大学ほど、また特長に乏しい大学ほど志願者減少が顕著に現れ、過去に経験したことのない経営難の時代を迎えることは間違いありません。 また、昨今では、一部の私立大学の不祥事を機に学校法人の健全な運営を図るため、公共性・透明性担保の必要性の観点から、理事会と監事並びに評議員会の役割強化等、改正私立学校法への対応(寄附行為改訂作業)が文部科学省より求められております。 本学の経営基盤の根幹であります「維持員制度」に基づく評議員及び理事の選任に於いて、それぞれの「適格性」が求められる等、学校法人明治薬科大学寄附行為の改訂が喫緊の課題であります。 私は今後の大学運営の基本方針として、激変する社会環境の変化に対応すべく、社会の要請を正しく分析して、学生にとって魅力ある大学創りと将来にわたる経営基盤の盤石化並びに大学危機管理の充実に努めます。当面は以下の5つの課題解決に取り組んでまいります。1.志願者減少対策に取り組みます。 大学経営の基盤である志願者は、何をもって大学を選び、学部や学科を選択するのか。原点に帰って考える必要があります。彼らの希望や夢を実現できる大学に進化していく必要があります。志願者にとって魅力ある教育研究、特徴ある講座等、大学創りに努めます。具体的には全学部・大学院教育研究に対して、文部科学省は、我が国全体のアントレプレナーシップの醸成を提言しております。 創学122年の長年にわたる伝統と歴史に培われた薬剤師養成教育の高い実績が、本学の特長でありブランド力そのものであります。それが社会から高く評価され高いレベルの志願者数を維持しております。課題は留年生や退学生の徹底した要因分析と防止対策、並びに既卒者への国試対策であり、また、他大学の対策を研究しながら総力を結集して取り組みます。3.医療機関との連携を介した臨床教育研究を推進し充実を図ります。 本学の「歴史と伝統」を堅持しつつ、社会の要請に応える魅力ある次世代の大学を将来にわたり目指します。実践的な医療人養成・臨床研究に資する環境を構築する必要があり、特に本学は附属病院を有しない単科大学であるため、昨今は多くの医療機関と連携協定を締結してまいりました。具体的には、「防衛医科大学校」、「学校法人埼玉医科大学」、「国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター」、「国立病院機構東京病院」、「東京都立多摩総合医療センター」、「東京都立墨東病院」などです。今後の課題は、先端的医療に資する薬学教育研究の推進や人材の養成等であり、発展的な研究室の刷新を視野に、組織として実践に取り組むことです。4.ITやAIなどの新技術導入を全学的に推進し、事務管理業務の効率化に取り組みます。5.本学経営の基盤である維持員制度の堅持のため、維持員増加対策に総力をあげて取り組みます。 同窓生並びに大学教職員を初め、維持員や役員との理解を深める情報交換の場を拡大するなど、会員増加に努めます。 日本は今後益々人口の減少、少子・超高齢化社会と看取りの多死社会へと進んでまいります。国際社会は人類の永遠の課題である健康長寿を目指し、生命科学と医薬の発展、医療技術の進歩への期待は大きく、大学には更なる学問の進展が期待されております。明治薬科大学は、建学の精神に基づき、本学の理念達成に向けて日々努力し、社会の期待に応えてまいります。 私は学校法人の経営責任者として、教職員の皆様から忌憚のないご意見を頂き、顔の見える大学・法人づくりを図り、時代のニーズに対応した大学運営を目指してまいります。皆様のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、就任のご挨拶と致します。理事長 佐川 賢一 特に「生命創薬科学科」においては、産・官・学が連携した持続可能な取り組みが喫緊の課題であります。2.薬剤師国家試験の合格率100%を目指した大学運営に取り組みます。ストレート合格率トップレベル(80%)の維持に努めます。理事長再任の挨拶
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