明治薬科大学広報 No.121
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1 5年次の薬学実務実習は薬局・病院それぞれ11週間の臨地実習において、今まで学修した知識・技能・態度の確認、薬剤師の業務を遂行する基本的能力があることの確認を以て、薬剤師国家試験の受験資格の要件の一つとなります。また別の側面からは、薬局・病院の一連の実習を通じて多職種間、地域での施設間の連携を考え、患者のみならず地域生活者に貢献するために必要な実践的能力とプロフェッショナルとしての意識を培うことを大きな目的としています。下級学年で学んだ知識が実践の場でどれほど通用するのか、修得した知識を具体的に活用することの意義を肌で感じ、その後の学修へのモチベーションにつながる貴重な機会です。 本学では個々の実習学生毎に担当教員を設け、実習期間を通じて学生からの相談、実習施設との連携により、有意義な薬学実務実習となる様、バックアップしています。 薬剤師の業務環境は「モノから人へ」のスローガンの下、DX化推進の政策に後押しされ、調剤、単純な服薬指導はAIや機械に取って代わられるのは明白です。薬剤師が職能を発揮するには、多職種との円滑な連携を通じて、実効性のあるより良い地域医療連携を実現するための対人関係能力が必要不可欠です。今後 薬学共用試験は、大学入学後の4年間に学んだ薬学全分野の知識・問題解決能力を評価する客観試験であるCBT(Computer-BasedTesting)と、実技を通して技能・態度を評価する客観的臨床能力試験であるOSCE(ObjectiveStructuredClinicalExamination)の2種類の試験で成り立っています。全国薬学部で統一された方法に基づく試験で、大部分の薬学生が合格しています。しかしながら、準備不足、あるいは体調不良などが原因で思わぬ結果となることもありますので、油断は禁物です。本学ではいずれか1つの試験でも不合格だった場合には、5年次に進級できても参加型の実務実習である薬局及び病院実務実習・コース特別実習・演習を履修することはできず、翌年度に改めて両試験に合格した上で履修することになります。したがって、薬学共用試験は極めて重要な試験であることは言うまでもありません。 7月下旬にCBT体験受験のオリエンテーションを対面実施しましたので、多くの学生は強い自覚を持って、これまで学んできた内容の復習に取り組んでいることと思います。令和6年8月27日(火)・28日(水)に他大学からモニターにお越しいただき、CBT体験は、『薬剤師』として持てる能力・知識をどう使えるか、相手の気持ちを読み取りながら経済的側面も含めた最適な治療効果を実現出来るかが今後、社会的評価の指標となっていくことも、薬学実務実習を通じて理解して欲しいと考えています。 COVID-19については、リスクこそ低くなったものの、実習受入の医療提供施設では引き続き再燃防止や、新たな感染症流行の危険回避のために様々な知見・経験に基づいた感染対策が取られています。各実習受入施設では医療機関として円滑な体制を維持、継続することが最優先であり、その中で薬学実務実習の受入協力をして頂いています。当然、そこには従来の経験値に基づいた遵守するべき規則があります。昨今では個々の多様性を尊重する方向ではありますが、その前提として、すべての人が、権利を行使するためには果たすべき義務がある点の理解が不可欠であり、この点の教育指導を求める声も確実に高まっています。 本学では今後も実習学生の安全性の確保を図りつつ、細心の注意を以て保健医療を支えるバランス感覚豊かな人財を育成したいと考えております。教職員一同、努めてまいりますので、ご賢察の上、ご協力・ご支援下さいます様、よろしくお願い申し上げます。受験を実施しました。この体験受験により、学生一人ひとりが現在の実力を把握し、CBT本試験に向けて本格的な取り組みを開始してください。本年度のCBT本試験は、令和7年1月9日(木)・10日(金)に実施予定です。それに向けて9月と12月に模擬試験を実施し、成績が振るわない学生を対象として、10月からCBT対策講習会を全9回対面にて開講します。この講習会の内容は、CBT受験予定者全員を対象に、MY-CASTで公開します。全員がCBT本試験に合格できるように、十二分に準備をしてください。 また、OSCE本試験は12月7日(土)に実施予定です。本学では学長以下の全教職員に協力をお願いし、学外からの評価者、他大学からのモニターにお越しいただきます。5年次に充実した薬学実務実習を行うためには、前期に引き続き、後期の事前実務実習にも真摯に取り組み、基本的な技能や態度を確実に修得することが重要です。別途、OSCE受験に向けてのオリエンテーションも開催しますが、そこでしっかりとイメージを作り、当日は落ち着いて試験に臨むようにしてください。(薬学実務実習委員長 菅野敦之)(教務委員長 大野恵子)令和6年度 薬学実務実習の報告令和6年度 薬学共用試験対策

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