明治薬科大学広報 No.121
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5 「高校生のための夏の学校」は、薬学に関心のある高校生に本学まで来ていただき、講義と実習などで一足早い大学生活を楽しんでいただこうと毎年8月に開催している社会活動です。今年も高校2~3年生を募集し、総数39名、うち3年生が29名、女性が29名の参加となりました。 講義室での開校式の後、最初のプログラムとして、4班に分かれ、出発点をそれぞれ変えて学内を見学しました。資料館展示室では貴重な薬学資料について馬場正樹准教授から解説を受け、資料館研修室では高取薫教授や佐々木寛朗講師の指導により薬研(やげん)での桂皮の粉砕を体験し、生薬に関するクイズで頭をひねりました。総合研究教育棟フロネシスではモデル薬局や調剤実習室に関する解説を望月靖子講師から受け、機器分析センターでは、最近の高校化学の教科書にも記載されているNMRなどの高額機器について斎坂ゆかり准教授、小関珠美助教、山田聖子助教から解説を受けました。その後、講義室で石井里枝教授による衛生薬学講義「最近のニュースから学ぶ 食の安全」と題する保健機能食品制度やサプリンメントによる健康被害などの概要について受講しました。 午後は実習講義の後、実習室で4人ほどの班に分かれ、化学実習「アセトアミノフェンの合成と確認」に 令和6年6月22日(土)に明治薬科大学清瀬キャンパスにて明治薬科大学市民公開講座を開催しました。本講座は、社会に開かれた大学を目指し、地域の方々との交流を深めることを目的として毎年開催しています。講師には、聖マリアンナ医科大学病院・治験管理室の土岐真路先生(平成20年度本学卒業、平成22年本学大学院臨床薬学専攻修了)をお招きし、「血圧から心臓の健康を考えよう!『ほめてあげよう 自分のハート」~8/10は健康ハートの日~』という題名でお話をいただきました。本講座では、日本人の死亡原因の上位にある「心臓の病気」についてわかりやすく説明いただき、心臓の病気は多くの場合、高血圧などの管理や生活習慣の改善といったちょっとした工夫で予防できることを身近な例を挙げて詳しく解説していただきました。真夏日にもかかわらず、たくさんの方々に参加いただき、講演後の質疑応答も活発に行われました。「食事・運動までお話が幅広く、大変興味深いものでした。日常生活の中での注意点が良く分かりました。」などの感想もいただきました。今後も公開講座を通して、本学が近隣住民にとってより身近で頼りになる存在になることを願っています。 また、令和6年7月30(火)・31日(水)の2日間、本学と学術・教育研究交流を実施している日本医科大学との共催で、連携公開講座「子どもアカデミア講座~君も研究者になってみませんか2024~(会場:日本医科大学)」を開催しました。この試みは、子どもおいて、実際に薬を合成し、市販薬からの抽出品とTLC(薄層クロマトグラフィー)で生成を確認しました。ここで高校生は、各班に配置された化学系教員8名と大学院生4名からきめ細やかな指導を受けました。参加者は各プログラムを満喫したのち、実習室で閉校式の講話を聴き、本学での1日を終了しました。実施後のアンケートにおいても、「大学の実験は、手順が多く高校の実習と比べて難しいと感じたが、大変楽しかった」や「薬学に興味を持てる良い機会となった」、さらには「貴校への受験を考えていたので、今回の体験が受験の参考になった」といった感想が寄せられ、非常に好評であったことが読み取れました。(「高校生のための夏の学校」取りまとめ役杉山重夫)たちの理科離れを防ぐことを目的としてスタートさせたものであり、今年は文京区内在住・在学者の小学5~6年生の子どもたちが本講座に参加しました。本学からは有機合成化学研究室の岸田敦講師ならびに松永和磨助教の協力を得て「くすりを調べてみよう~解熱鎮痛剤の成分分析~」をテーマに、薬の成分を抽出し、分離・同定する方法の理論と実際を学びました。複数の一般用医薬品を用いて、実際に解熱鎮痛剤の成分を調べる体験を通じて、薬の特徴や科学の面白さを感じてもらうことができたと思います。この講座を通じて、子どもたちは研究者の仕事に触れ、科学への興味を深める貴重な機会となりました。講座終了後には、2大学の学長名が入った修了証が子どもたちに手渡され、和やかな雰囲気の中で講座を終了しました。(公開講座・シンポジウム委員長 花田和彦)高校生のための夏の学校明治薬科大学 市民公開講座・連携公開講座

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