明治薬科大学広報 No.123
3/24

2学長 越前 宏俊 今年の入学式は寒の戻りで 4 月とは思えない寒さの中で挙行されることになりました。厳しい入学試験を勝 ち 抜 き、 令 和 7 年 度 に 入 学 し た 学 生 は、 薬 学 部499 名、うち薬学科 398 名、生命創薬科学科 101名です。薬学科の地域枠入学制度には 5 県から 10 名の入学者を迎えました。また、大学院薬学研究科には合計で 47 名、うち生命創薬科学専攻 博士課程(前期)に 37 名、博士課程(後期)に 6 名(うち社会人 1 名)、及び薬学専攻博士課程〔4 年制課程〕には 4 名(うち社会人 1 名)の入学者を迎えることができました。皆さんおめでとうございます。教職員を代表し皆さんを歓迎するとともに、日頃から皆さんを支援されてきたご家族の皆様にも心からお祝いを申し上げます。 本学は、123 年前の明治 35 年(1902 年)に創学者恩田重信先生が「薬学の普及と社会に有用な薬剤師を養成し、医薬分業を実施し、もって国民の保健衛生へ貢献する」との建学の精神を掲げて創学されました。以来、123 年間に 39,124 名の卒業生を世に送り出しました。去る 2 月 22 日(土)及び 23 日(日)に実施さ れ た 第 110 回 薬 剤 師 国 家 試 験 に お い て、 本 学 薬 学 科 の 卒 業 生 は 新 卒 合 格 率 で 87.17%、 既 卒 で 74.65%、 新 卒 と 既 卒 の 合 計 で あ る 総 数 で は84.46%の成績でした。この総数合格者の成績は全国 56 私立薬科大学中で第 8 位でした。6 年制薬剤 師 教 育 開 始 以 後 の 本 学 卒 業 生 の 最 終 合 格 率 は、96.89% と極めて高い値を維持しています。新入生の皆さんは、これらの先輩に続く者として誇りを持って勉学に励んでください。 生命創薬科学科の新入生の皆さん、皆さんの目標は、卒業後に創薬・化学業界の研究者・技術者から医薬品開発、健康科学・環境科学、臨床検査等のライフサイエンス分野で活躍することです。今年度の大学院進学率は昨年と同様に 70%を超えました。本学では学部と大学院が一体化したカリキュラムのもとで、3 年次から研究室配属を行い、教員の丁寧な指導の下、研究に対する姿勢と考え方を学ぶことができます。また、本学では臨床検査技師の国家試験受験資格を得るカリキュラムを維持しており、令和 6 年度の臨床検査技師国家試験では新卒 4 名、大学院生 1 名、合計 5 名の合格者を出す事ができました。これは、現在受験資格カリキュラムを持っている全国薬科大学中 3 位の成績でした。 大学院薬学研究科に入学された学生及び社会人の皆さん、おめでとうございます。皆さんは、将来、独立した研究者・指導者への道を進むことになります。人生の一時期に研究に没頭し、発見の喜びを国内外の学会や学会誌などに発表してください。間違いなく大きな達成感と喜びを経験できるでしょう。大学院では、単に高い研究知識だけでなく、公正な研究に対する高い倫理観の重要性も学びます。特に、薬学専攻の学生は臨床研究に関与する機会も多いと思います。臨床研究のガイドラインに準拠した様々な手続きやデータ管理上の注意義務があります。将来、医療の場で後輩のロールモデルとなれるような研究力と倫理観を磨いてください。 本学の創学者である恩田重信先生は、123 年前に「成功は必ずしも師に依らず」(成功不必依師)と揮毫(きごう)した扁額を校舎の入り口に掲げました。平易な言葉で表現すれば、「成功するためには良い師に教えを請うだけでは不十分であり、自らの努力こそが必要である」となりましょう。大学は、これまでのように「与えられた正解のある問題」のみを解く場ではありません。自ら問題を発見し、解決する能力を学ぶ場です。発見した問題には必ずしも正解はないかもしれません。しかし、そのような問いにチャレンジすることで、皆さんは社会で生き抜く人間力を養うことができるでしょう。緑あふれる静かなキャンパスで、皆さんがのびのびと学問し人間性を陶冶することを祈念して、私の式辞とさせていただきます。令和 7 年度 入学式式辞

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る