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暮らしの中の言語学2024.03.09

orthogonal=直交? 「生体直交化学」について

春を迎えたところですが、「秋」の話です。


毎年、秋のノーベルウィークには、薬学に関係するものがあれば英語の授業でもちょっと触れるようにしています。2022年には「生体直交化学」を取り上げました。


といっても、私は英語面だけ。


↑こちらのニュースを素材に当記事のサムネイルのようなスライドを作って説明をしました。


そこで気になったのが、「orthogonal=直交」の部分。


分解すると

  bio- + ortho- + gon + -al(生体(の)

となります。


ortho-は、orthodoxに見られるとおり「正、直」に対応。

-gonは、pentagon(五角形)、hexagon(六角形)に見られるように「角」に対応します。(ortho-は化学では「オルト」ですね。)


「orthogonal=直交(の)」は確かにそうなのですが、語感としてはピンときません。

「交わる」というよりは、それぞれ独自の領域があって本来は直接的に影響しない、つまり「直接的には交わらない」という感じではないでしょうか。


あえて訳すとしたら「独交」? 


もうそのままカタカナ表記として「オルトゴナル」の方が混乱しないかも、などと、専門家のY先生と話したりしています。


<参考サイト>

https://www.cas.org/ja/resources/cas-insights/emerging-science/key-insights-click-chemistry-and-bioorthogonal-chemistry

 

https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/202210142022.html

 


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