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暮らしの中の言語学2024.01.07

レストレスレッグス症候群とオーバードーズ

担当している「総合英語B」という授業では、毎回「出席確認」として名前を呼ぶのではなく(学内LMSを利用して)スマホやノートPCで簡単な質問に回答してもらっています。


少し前には添付の写真のような質問をしました。

正解は、restless legs symdrome です。

(レストレスレッグス症候群は、以前は「むずむず脚症候群」と呼ばれていたようです。カタカナ表記は一見わかりにくい例として問題にしてみました。)


ところで、ここで注目していただきたいのは、英語のlegsに対応する部分が日本語では「レッグス」となっている点です。英語の発音をあえてカタカナ書きすると「レッグズ」になるはずですが、おそらく濁音が続くと発音しにくいために「レッグス」という言い方になったことと思われます。アメリカ大リーグで大谷選手が所属することになったチームを「ドジャーズ」ではなく「ドジャース」というのも同じ現象のはず。(それを言うなら阪神タイガー「ス」も。。。)


さらに、このような濁音の関係では「オーバードーズ」(過剰摂取)の場合には逆の現象が起きていることも気になっています。

英語ではoverdose。

その発音をあえてカタカナ書きするなら「オウヴァドウス」なのですが、overの部分はともかく、doseの部分は「ドウス」あるいは「ドース」となるはずなのに「ドーズ」となっています。


doseは、one-dose package (ODP)(一包化)でも「ワンドーズパッケージ」と言われますし、「レスキュードーズ」などもあるので、「ドーズ」で定着しているようですね。


上記のレッグ「ス」やドジャー「ス」、タイガー「ス」の場合とは逆に、doseではなぜ濁音化? 発音しにくいはずなのに、と思っているところです。(レッグ「ス」などのsは複数形を表す文法要素(屈折語尾)であるのに対し、doseの「ス」は語の一部の発音であるという違いはありますが。。。) 

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