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planned happenstance 「計画的偶発性」
今回のサムネイルは、昨秋、研究室紹介をする際に準備したけれど時間の都合で省略したものです。
planned happenstance 「計画的偶発性」
もともとはキャリア選択に関する概念で、私は2年ほど前に知りました。
意味的に、happenstance「偶然の出来事」という名詞をplan「計画する」という動詞の過去分詞が修飾し、「計画された偶然の出来事」となります。
全体の意味としては、一見矛盾しますね。
表現全体の意味するところもさることながら、私が注目するのはやはり語形成の部分です。
happenstance < happen + (circum)stance
動詞 名詞
このように2つ(以上)の語を元にして(少なくとも1つの)語の一部を組み合わせることにより新たな語を作ることを「混成」(blending)と呼びます。
cyborg (<cybernetic + organism (サイボーグ))
urinalysis(<urine + analysis (尿検査))
smog (<smoke + fog (スモッグ))
infodemic (<information + pandemic (情報の氾濫により社会に(悪)影響を及ぼすこと))
一番多いのは、urinalysis (尿検査)やsmog (スモッグ)のように、2語のうちの最初の語の冒頭部分と後の語の終りの部分を組み合わせるものですが、 cyborg (サイボーグ)のように2語それぞれの語頭を組み合わせることもあります。また、infodemicがコロナ禍において出現したように、「混成」は新たな語をどんどん作っていく方法の1つです。
happenstanceの場合、最初の語が動詞であるという点で、少し珍しいパターンです。
上で、全体の意味としては矛盾する、と書きました。
キャリア選択においては、「偶然の出来事」にも左右されることを念頭に置いて、それも含めて(つまり「想定し、計画のうちとして」)柔軟に対応できる力が必要である、ということになるはず。
人生のあらゆる点で大切なことであると思います。