新しい有機電極反応の開発

電極反応は、電子をそのまま試薬として用いることが出来る反応で、化学反応剤を用いないため,基本的にはクリーンな反応です。また、基質から電子を引き抜いたり、与えたりすることにより、求核剤を親電子剤に、あるいは親電子剤を求核剤に変換できるなど、物質の極性変換(Umpolung)を簡単に達成できる方法としても有用です。当教室では、このような電極反応の特徴を生かした新しい合成反応の開発を行っていて、これまで、β-ラクタム合成の基本出発物質である2−アセトキシアゼチジノンなどの電極反応を利用した簡便合成法などを明らかにしています。