プラスミドは、
1. (大腸菌など)宿主内で自立増殖可能な二本鎖環状DNA。
2. 選択マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子をもつものが多い:プラスミドの入った大腸菌を選別する。
3. クローニングのための複数の制限酵素認識部位を持つものが多い:いろいろなDNA断片を容易に挿入できる。
4. 大腸菌内で多コピー存在するものが多い:多量のプラスミドを調製できたり、挿入したDNAからタンパク質を多量に発現できる。
形質転換によりプラスミドDNAを大腸菌へ導入することが出来る。これにより、プラスミドDNAを増幅・単離する。
プラスミドの調製法
アルカリ法
1. SDS+NaOHで菌を溶解
2. 酢酸カリウムで中和し、ゲノムDNA(大きすぎて弱酸性条件で溶解できない)を沈殿除去
3. フェノール・クロロホルムでタンパク質等を除去
4. 水層に残るプラスミドDNAを70%エタノールで沈殿回収
煮沸法
1. リゾチーム+トリトンX100で菌を溶解
2. 40-60sec煮沸する。
3. ゲノムDNAは、変性不溶化するので、遠心して、プラスミドDNAを上静に回収。
4. 70%エタノールで沈殿させプラスミドDNAを得る。
超遠心法
プラスミドDNAの比重の差により、ゲノムDNAや開環状DNAから分離する。
プラスミドDNAの検定
1. 制限酵素によるDNA切断
2. アガロースゲル電気泳動により、DNAの大きさと量を確認
DNA断片の挿入
1. プラスミドDNAを適当な制限酵素で切断する。
2. 挿入するDNA断片を適当な制限酵素で切断する。
3. アガロースゲル電気泳動し、プラスミドDNAと挿入する目的のDNAを切り出す。
4. アガロースを溶解して、DNAを抽出する。
5. DNAリガーゼで両DNAを結合させる。
6. コンピテントセルに形質転換し、組換えプラスミドを選択する。