水代謝と生物の進化 アクアポリンの仲間  
アクアポリン機能   ホヤ 
(学内のみ)
HRC 31609 嚢胞腎とアクアポリン video
AQP11ノックアウトマウスの多発性のう胞腎

1、狭義のアクアポリン(水選択性)

       AQP0、1、2、4、5、6

  AQP6はイオンも通す。

 

2、アクアグリセリポリン(水以外にも輸送)

       AQP3、7、9、10

  水以外にも非イオン性の小分子(グリセリンなど)も通す。

 

3、細胞内(異論もある)アクアポリン(主に水)

       AQP8

  細胞内オルガネラにも存在し多様な輸送をする。水も通す。

  植物の液胞に局在するTIPを代表とする群。

 

4、スーパーアクアポリン(水以外を通すかは不明)

       AQP11、12

  1~3のアクアポリンとの類似性が乏しい。

1.狭義のアクアポリン

AQP0、1、2、4、5、6

2.アクアグリセロポリン

AQP3、7、9、10

3.細胞内?アクアポリン

AQP8

4.スーパーアクアポリン

AQP11、12

脳のアクアポリン

 

種類:AQP1、3、4、5、6、8、9、11

 

蛋白として発現が明らかになっているのは

脈絡叢脊髄液側膜のAQP1とグリア細胞のAQP4(脈絡叢の上衣細胞には発現なし)のみである。

 

培養細胞の報告より

アストロサイトにAQP3、4、5、8、9

オリゴデンドロサイトにAQP8

神経細胞にAQP1、3、5、8

が発現しているといわれている。

 

特に研究の進んでいるAQP1、4、9について

 

AQP1

・脈絡叢の発現

脈絡叢上皮細胞の血管側細胞膜に発現している(髄液側細胞膜にはAQP3)ことから脳脊髄液の産生量に影響し、脳圧への影響が考えられる。

実際ノックアウトマウスでは脳脊髄液の産生量が4/5であったとの報告がある。

・血管内皮の発現

ラットの培養脳血管内皮細胞ではAQP1はステロイドホルモンで増加し、細胞膜への移行も増加したとの報告がある。

・グリア細胞により発現が抑制されることが確認されており、血液脳関門の維持やグリア細胞の障害によるAQP1の増加、それによる脳浮腫の解消の可能性がある。

   脊髄のニューロンにあるとも

 

AQP4

・脳浮腫との関係の研究が最も進んでいる。

・グリア細胞に広く分布しているが血管周囲グリア終足に強く発現

・脳梗塞のラットにおいて、AQP4の発現が梗塞周辺で増加する。脳梗塞状態のノックアウトマウスでは脳浮腫の発生が正常のマウスに比べて35%抑制される。

これらのことから細胞障害性浮腫の要因はAQP4を介したアストロサイトへの水の流入であると考えられている。脳の形態には変化はない。

・血管原性浮腫においてはノックアウトマウスでは回復が遅延する。

・PTZの投与による観察から、てんかん発作との関連性も報告されている。

   てんかん薬にAQP4をブロックするのがある。

・抗AQP4抗体

neuromyelitisopticaNMO)あるいは視神経脊髄型MSOSMS)に特異的に出現する自己抗体であり、その診断、治療への研究が進められている。

 

AQP9

・脳浮腫との関連性が指摘されている。

・虚血刺激後に梗塞周辺部のアストロサイトに発現。

・乳酸透過性があると言われており、脳障害を悪化させる脳虚血による局所の乳酸アシドーシスに対して、この乳酸透過性が脳浮腫の進行を防止している可能性がある。

・脳浮腫改善薬であるマンニトールにより増加し、その増加はp38MAPKを介すると考えられている。

   ノックアウトマウスとの染まりの比較から、脳には蛋白は発現していないといわれる(抗体不適)。

 

AQP11

・ラットにおいて小脳のプルキンエ細胞、海馬のCA1、CA2、大脳皮質での発現が報告されているが、行動、記憶などへの影響は明らかになっていない。

   ノックアウトマウスの脳に大きな変化はない。

 

 

肝臓のアクアポリン

 

種類:AQP1、8、9、11

 

AQP1

・肝内胆管の細胆管上皮細胞の管腔側に発現。

・セクレチンの刺激により管腔面に移動し胆管細胞の水透過性に関与。

・胆嚢上皮細胞の管腔側、血管側に発現し、胆嚢内の胆汁を濃くしている。

   ノックアウトマウスは正常

 

AQP8

・毛細胆管に発現。

   ノックアウトマウスは正常

 

AQP9

・肝細胞の血管側に発現し肝細胞への水やグリセリンの取り込みに関与し、脂肪細胞のAQP7によるグリセリン放出と連携し肝臓での糖新生に重要な役割を果たす。血中インスリン上昇によりAQP7の発現は抑制され、それに伴いグリセリン放出が抑制されるので、肝臓へのグリセリン取り込みも減少し、糖新生が抑えられる。

 

AQP11

  ノックアウトマウスの肝臓の門脈周辺の肝細胞に空胞が認められるが、臓器障害は認められていない。

 

 

皮膚のアクアポリン

 

種類:AQP3、AQP1

 

AQP3

・角層に発現している。

・ノックアウトマウスは角層水分量と皮膚の弾力性低下。その原因は角質のグリセリン含量が減少していることである。

・ノックアウトマウスは傷の治癒が遅い。その原因はAQP3を欠損した表皮細胞の移動速度の遅さと、細胞増殖速度の遅さである。口からグリセリンを摂取すると回復する。

・レチノイン酸(ビタミンA)によるAQP3の発現の増加が検討されているが、明確にされていない。

・クレソンの抽出成分であるウォータークレスエキスが培養表皮細胞でAQP3を増強させることが報告されている。

・腫瘍促進作用に重要な役割を果たしていると考えられている。皮膚への過剰なグリセリンの曝露、AQP3の発現増加は皮膚の基底細胞がんの増殖を刺激する。またノックアウトマウスでは皮膚がんが抑制されている。

・今後はスキンケアの面だけでなく、術後の傷口の治癒などの医療面におけるAQP3の役割も注目される。

 

AQP1

  メラノサイトにあるという(異論もある)

  ノックアウトで異常ない

 

 

腎臓のアクアポリン

 

種類:AQP1、2、3、4、6、7、11

 

AQP2

・抗利尿ホルモン依存性アクアポリンである。

・バソプレシンが受容体に作用すると、cAMP産生に伴うプロテインキナーセAの活性化によりAQP2が細胞質内小胞体から尿細管管腔側に移動し、必要量の水を再吸収する。

その後エンドサイトーシスされ再利用。

・AQP2欠損で腎性尿崩症になる。

・約3%は尿中へ排泄され、それは血漿バソプレシン濃度と正の相関がある。また、中枢性腎症、腎性尿崩症では排泄量は減少する。

  心不全ラットモデルでは腎AQP2発現、mRNA、蛋白ともに増加し、AQP2尿中排泄は増加し、その重症度に伴って増加する。

  リチウムで発現ほぼなくなり尿崩症に


AQPの腎臓での発現

 

 発現細胞    細胞での発現    機能       疾患      脱水効果

AQP1  近位尿細管   基底膜、頂端膜   水輸送     尿崩症(弱)   変化なし

     下行脚、毛細血管

 

AQP2  集合管の    (頂端膜)    ADH依存的   尿崩症(強)   強く誘導される

      主細胞     管腔膜下小胞体    水吸収  (マウスでは致命的)

 

AQP3  集合管      基底側膜    水の血中への   尿崩症(やや強) 強く誘導される

      主細胞                取り込み

    (主に皮質)

AQP4  集合管      基底膜     水の血中への   尿濃縮力低下   誘導される

      主細胞                取り込み

    (主に髄質)

AQP6  集合管の     細胞内     アニオンチャネル?  不明     変化なし

      A介在細胞

 

AQP7  近位尿細管    頂端膜     水とグリセリン輸送 尿中グリセリン 変化なし

      (S3)                       濃度低下

 

AQP8  近位尿細管?  ミトコンドリア? 水、NH、H? なし     変化なし

     (腎にない?) (細胞膜?)

AQP11  近位尿細管   小胞体?    水輸送とpH調節   多のう胞腎   変化なし


    



本文へジャンプ

アクアポリンの発現

脳 目 唾液腺 気管 肺 心臓 肝 膵 脾 消化管 腎 精巣 卵巣 筋肉 白血球 赤血球

AQP0  - +  -  -  -  - - - -  -  -  -  -  -  -   -

AQP1  + +  +  +  +  + + + +  +  +  -  +  +  -   +

AQP2  - -  -  -  -  - - - -  -  +  -  -  -  -   -

AQP3  + +  +  +  -  + + - +  +  +  -  +  -  -   +

AQP4 ++ +  +  +  ­-  + - - -  +  +  -  -  +  -   -

AQP5  - +  +  +  +  - - - -  +  -  -  +  -  -   -

AQP6  + -  -  -  -  - - - -  -  +  -  -  -  -   -

AQP7  - -  -  +  -  + - - -  +  +  ++ +  -  -   -

AQP8  - -  +  +  -  - + + -  +  -  ++ +  -  -   -

AQP9  - -  -  -  -  - + - +  -  -  +  +  -  +   -

AQP10  - -  -  -  -  - - - -  +  -  -  -  -  -   -

AQP11  + -  -  -  -  + + - +  +  +  ++ +  +  +   -

AQP12  - -  -  -  -  - - + -  -  -  -  -  -  -   -

Yeung, C H, Cooper, T G (2010). Aquaporin AQP11 in the testis: molecular identity and association with the processing of residual cytoplasm of elongated spermatids. Reproduction 139: 209-216 [Abstract] [Full Text]


  • Hermo, L., Schellenberg, M., Liu, L. Y., Dayanandan, B., Zhang, T., Mandato, C. A., Smith, C. E. (2008). Membrane Domain Specificity in the Spatial Distribution of Aquaporins 5, 7, 9, and 11 in Efferent Ducts and Epididymis of Rats. J Histochem Cytochem 56: 1121-1135 [Abstract] [Full Text]  

2014,3.28 薬学会シンポ pdf            
2014,10.17 AQP pdf  ビデオ
2014.10.7 pdf  ビデオ   


各アクアポリン

 

AQP0

  目のレンズの透明性を保ち、その膜の60%を構成している。

  AQP0の欠損はマウス、ヒトともに白内障を引き起こすが、そのメカニズムは解明されていない。

  細胞同士を接着させる機能がある(異論もある)が、生理学的な有意性は明らかでない。

  目のレンズには血管がないため、水、栄養、酸素を輸送する機能も重要であると思われる。

  アフリカツメガエル卵母細胞において、AQP0のC末端に結合した細胞膜のカルモジュリンによって介在される外部のカルシウムの移動がAQP0の水透過性を増加させ、C末端が切断されたAQP0は基質の輸送ができなくなることが示された。

  最近ではマイクロアレイでの研究で、網膜にも発現していることが明らかになったが、その機能、役割は不明である。

 

AQP1

  AQP1はアクアポリンとして最初に確認された。

  元々赤血球からクローン化されたが、AQP1欠損のマウスも、ヒトも正常であるため赤血球における役割は分かっていない。

  AQP1を欠損したヒトは正常であるが、水分が不足した条件化では尿を正常まで濃縮できない。

  脊髄の感覚ニューロンに発現しているAQP1の影響で、AQP1ノックアウトマウスは感覚障害がある(異論もある)。

  腸のリンパ管にも発現している。

  胆管の頂端膜に発現しそこでの輸送はセクレチンで刺激される。しかしAQP1ノックアウトマウスで胆管の異常はなかった。

  膵臓の分泌顆粒に発現しているという報告がある(異論もある)。

  赤血球のCO透過性についてのAQP1の生理学的な役割はマウスでもヒトでもあまりはっきりしない。

  NOは血管内皮において、AQP1を通して透過しているがその役割は不明である。

  の透過についても疑われているが実証はされていない。

  AQP1ノックアウトマウスでは腫瘍の成長抑制、血管新生の抑制が起こる。これはAQP1を欠損することにより血管内皮の細胞輸送が遅くなっていることが考えられる。このようなことは癌の転移に関しても重要な研究になってくると思われる(追試なし)。

  血管内皮以外にも腎尿細管上皮の再生もAQP1欠損で遅れるという報告がある。

  メラノサイトにある(異論もある)

 

AQP2

  AQP2ノックアウトマウスは脱水により生後2週間以内に死ぬが、多飲で生き延びる。

  集合管の頂端膜の他、耳の内リンパ嚢(内リンパ液の恒常性維持)、精巣網、輸出管、精巣上体にも発現しているが(異論もある)、その生殖器官系での機能、役割は不明である。

  他は腎臓のアクアポリン参照

 

AQP3

  アクアグリセロポリンである。

  消化管で重要な役割を担い、側底膜に存在する。

  大腸炎による結腸上皮の障害を回復させる。

  Mgにより発現が増強される。

  結腸癌を増殖させる。

  その他、気道組織の上皮と肺癌細胞に発現、砒素吸収の可能性、角膜再生、赤血球に発現(マウスではAQP9)などの報告がある。

  その他は皮膚のアクアポリン参照。

 

AQP4

  グリアに高発現。脳のアクアポリン参照

  ノックアウトマウスは視覚、聴覚に異常ありとの報告がある。

  その他、筋細胞、胃壁細胞にも発現するが、ノックアウトマウスの異常は見受けられない。

 

AQP5

  外分泌腺に広く存在している。

  唾液腺で分泌顆粒の接着・融合に関与している可能性がある。

  ムスカリン刺激で管腔膜にトラフィックする(異論もある)。

  欠損によりシェーングレン症候群を引き起こす。

  腫瘍壊死因子αがAQP5の発現を減少させる。よってシェーングレン症候群の外分泌腺の慢性炎症もAQP5の発現を弱めている可能性がある。

  Ⅰ型肺胞上皮細胞の頂端膜に発現している。

  ブルンネル腺の顆粒に発現している。

  汗腺にもある。

  エストロゲン投与によりマウスの子宮のAQP5が急増する。

 

AQP6

  AQP2のホモログとして認識され、腎臓に特異的に発現していると思われていた。しかし最近の研究で小脳とシナプス小胞に発現が確認された(異論もある)。

  腎臓においては集合管の介在細胞に発現している。

  エンドソーム(?)に局在、Hポンプと共局在化している。

  水銀などの刺激により開口しアニオン、特に、塩素や硝酸イオンを水と同じように透過する。

  尿素、グリセリンも通す。

  シナプスにおいて分泌顆粒の接着・融合に関与の可能性。

 

AQP7

  アクアグリセロポリンである。

  消化管上皮に発現し、砒素の吸収に関与か。

  脂肪細胞での発現は確認されておらず、脂肪組織の血管内皮に発現していて、グリセリンの通り道として機能していると考えられる。

  ノックアウトマウスは生後3ヶ月頃から体重増加はなしに内臓肥満(異論もある)。ヒトの欠損症例では内臓肥満なし。

  β細胞に発現し、ノックアウトマウスはβ細胞内のグリセリンが上昇し、インスリン含量やβ細胞数減少。

  成熟精子に発現し、ミトコンドリアが密集する精子の尾の基部に多く発現している。しかしノックアウトマウスの精子の機能は正常であることからその役割は不明である。

  AQP7は腎臓の近位尿細管の刷子縁膜に存在している。

  AQP7ノックアウトマウスは尿中にグリセリンを喪失してしまうが、それによってグリセリンとグルコースの代謝には問題は起きないようである。

  ヒトゲノムにおいてAQP7に高い相同性のある3つの偽遺伝子があり、種特異的な複製も報告されているので、AQP7には何らかの進化の歴史があるのかもしれない。

 

AQP8

  異論はあるが、肝細胞のミトコンドリアに発現、がん細胞のアポトーシス死との関連が指摘されている。

  過酸化水素を通す。

  NHをガス状態で透過するとの報告あり。

  大腸炎のラットモデルの遺伝子発現像においてダウンレギュレーションがみられる。

  ビタミンD欠如ラットへのビタミンD投与により十二指腸の粘膜でダウンレギュレーションがみられる。

  膵臓の腺房細胞の頂端膜に発現し、浸透圧に関与か。しかし、ノックアウトマウスの膵臓機能に異常なし。

  精巣に発現するが、ノックアウトマウスの精子に異常なし。

 

AQP9

  アクアグリセロポリンである。

  大きな分子である核酸の原料プリン、ピリミジンを通す。

  ヒトでは白血球に発現するがマウスでは赤血球に。

  マクロファージに発現している。

  砒素を肝臓に取り込む。

  急性前骨髄性白血病の治療に有効な抗癌剤、砒素三酸化物を吸収する。

  異論はあるがグリア細胞にあるという報告がある。

  チアゾリジンジオン(2型糖尿病治療薬)によって白色細胞組織での発現が刺激されるが、脂肪組織での発現は現在も議論中である。

  破骨細胞の分化、特に融合過程においてAQP9mRNAの高レベルが報告されている。

  非特異的AQP9阻害剤のプロリジンは劇的に破骨細胞のサイズと破骨細胞ごとの核酸の量が減少させたとの報告がある。しかし、ノックアウトマウスでの骨の異常はなかった。

 

AQP10

  アクアグリセロポリンである。

  初めは6番目の膜貫通ドメイン以外不完全なスプライシングでみつかり、AQP10の機能は貧弱とされていた。

  独立して完全にスプライシングされた形態としてクローンされたヒトのAQP10の機能はアクアグリセロポリンとしてのものだった。

  腸クロム親和細胞(EC細胞)での分泌顆粒に発現している(異論もある)ことからセロトニンなどの生理活性物質の分泌代謝に関与か。またセロトニン分泌が確認されるコレラによる下痢患者で発現が低下していることがマイクロアレイにより確認された。

  十二指腸と空腸の特に粘膜に発現しているということだったが、免疫組織学上の結果は違い、不完全なスプライシングの方は、十二指腸の粘膜下毛細血管の上皮細胞または、内皮細胞の頂端膜に存在し、完全にスプライシングされた方は、EC細胞の分泌顆粒に局在していた。

  マウスにおいては偽遺伝子である。従ってマウスは必然的にAQP10ノックアウトマウスであるが、機能的に問題はない。ウシも。

  その他、RT-PCRによりAQP10は胎児の歯、こう筋、歯肉に存在することが分かったが、生理学的な有意性は明らかでない。

  いくつかの動物では広い発現があり、犬では結腸にも発現している。

 

AQP11

  AQP11は広く分布し精巣、胸腺に高く発現し、腎臓、腸、肝臓にも発現している。

  腎臓においては近位尿細管に発現し、主に細胞内の小胞体(ER)に存在する。

  ノックアウトマウスは致命的なのう胞腎による腎不全を患い、生後2ヶ月以内に死ぬ。

  のう胞は近位尿細管細胞の空胞変性の後に起きる。

  ノックアウトマウスにおける空胞は腎臓以外にも、肝細胞の門脈域、腸の上皮細胞の絨毛の先端に存在するが、のう胞の発達や機能的な異常はない。

  これらの空胞はノックアウトマウスにおける細胞障害が原因(アポトーシス亢進)と考えられている。小胞体の恒常性の維持とAQP11の関係性なども指摘されており今後の研究が期待される。

  エンドソームのpH調節に関与している。

  エンドソーム機能異常で拡張している可能性。

 

AQP12

  AQP11と32%の相同性があるが、その他のアクアポリンとの相同性は15%以下である。

  アフリカツメガエルの細胞膜には発現していない。

  トランスフェクトすると培養細胞で細胞内での発現が確認された。

  膵臓に特異的に発現している。特に腺房細胞に発現している。AQP1、AQP8も発現しているが、それらのノックアウトマウスに異常がなかったことから、AQP12が機能を補った可能性がある。

  AQP12には逆の支配を受ける二つの遺伝子が存在する。片方はAQP12A、もう一方はAQP12Bである。

  AQP12Bは不完全な遺伝子で、おそらく偽遺伝子である。またAQP12Aと高い相同性があり、AQP12AmRNAの安定性を調節している可能性がある。

  AQP12のカルボキシ末端は種の中で不一致である。大部分のアクアポリンは種の中でアミノ酸配列は相同だが、AQP6、AQP7、AQP12のように種特異的なカルボキシ末端をもつものもある。

  AQP12欠損マウスはCCK誘発急性膵炎が重症化する(エンドサイトーシスの異常?)。

  AQP12は基底膜近くの細胞内オルガネラに発現


AQPノックアウトのマウスとヒトの表現型

 

ノックアウトマウス         ヒトにおけるノックアウト

AQ0   白内障                 白内障

 

AQP1   知覚障害、脂肪吸収不全症      正常、軽度の尿濃縮力低下

       軽度の尿濃縮力低下

 

AQP2   致命的な尿崩症           致命的ではない尿崩症

 

AQP3   尿濃縮力低下、乾燥肌           正常?

 

AQP4   軽度の尿濃縮力低下            不明

      視覚、聴覚、嗅覚障害

      脳浮腫の減少

 

AQP5   口渇、角膜菲薄化、低発汗         不明

 

AQP6   正常?                  不明

 

AQP7   軽度の肥満                正常

      ランゲルハンス島細胞の縮小

      尿中へのグリセリン消費

      グリセリン輸送の低下

 

AQP8   正常、精巣の肥大             不明

 

AQP9   正常、肝臓でのグリセリン吸収低下     不明

 

AQP10   正常、偽遺伝子              不明

 

AQP11   致命的なのう胞腎             不明

 

AQP12   正常?                  不明


明治薬科大学ホームページへ