明治薬科大学は令和4年(2022年)に創学120周年を迎えた伝統ある私立薬科大学です。
本学附属の薬用植物園は、当初の開設の詳細は不明ですが、専門学校時代の大正12年(1923年)当時の笹塚校舎の現存する見取り図から薬用植物園が確認でき、およそ100年前には開設されていたことになります。当時の植栽内容については現在までのところ資料が見つかっておらず不明です。
以後、主に薬学教育と研究目的で、移転などに伴い世田谷および田無キャンパスにそれぞれ引き継がれていきます。
さらに、平成10年(1998年)の大学のキャンパス統合移転に伴い、現在の清瀬キャンパスに面積約920㎡の薬用植物園として新たに造設され現在に至ります。
世田谷・田無キャンパスから移植された多数の植物に加え、さらに充実を図り、日本薬局方収載生薬の基原植物を中心に約950種の植物が植栽展示されています。また、キャンパス内には多くの樹木も植栽されており、生薬として重要なキハダやアンズ、ニガキなどの薬木も見られます。
清瀬キャンパス内の他に、本学女子寮前の試験栽培園、丹沢ユーシン渓谷の試験栽培場(現在休止中)も本園のバックアップや高地栽培試験などで維持や研究に貢献しています。
本園は薬学部のコア科目である生薬学および関連科目や実習の教材植物のための標本園、ならびに研究用栽培区を中核として来ました。近年は、併せて地域貢献の一環として、薬用植物を地域社会に啓蒙、普及する役割も果たしています。