人類と病気との闘いの歴史において、人類は多種多様な植物を利用して来ました。長年の試行錯誤の中で有用なもの、それが今日の生薬と言えるでしょう。しかし、未だもって新たな医薬品が発見されており、また、遺伝子的にも未知の存在が多いと言われています。一方、医薬品開発におけるリード化合物の発見という観点からも、天然の薬用資源としての植物の研究はまだまだ重要かつ魅力的です。
本園は研究室から独立しているため、薬草園独自の研究は行っておりません。しかしながら、本園と関係の深い天然薬物学教室の研究テーマの一つである正倉院薬物の中の一つのゲンカ(芫花)の起源であるフジモドキ、また生薬学教室の研究テーマの一つである「サボテン科植物からのサポニン成分の探索」など研究室の実験材料の管理栽培など、研究を側面からサポートして来ました。
また、かつての研究素材であった紫花前胡の基原植物であるノダケをはじめ、いくつかの研究関連材料も栽培しております。