「健康面の自立」とは？

あなたは、「自立」していますか？

それでは、あなたは、健康面で「自立」できていますか？

皆様に、自立していますか？とお聞きしたら、多くの方は、「自立」しているとお答えになると思います。「自立」ということばの意味は、「他の助けや支配なしに自分の力で物事を行うこと。（大辞林より）」ですが、その物事となる対象は様々です。今日考えてみて頂きたいのは、健康を管理するという点について「自立」できているかな？ということです。

日本の医療制度はとても充実し、皆保険という世界に誇れる仕組みがあります。それ故に、日本人は自分自身の健康管理を怠りがちで、病院やお薬といった医療に依存してしまう傾向にあります。世界23カ国、28,000人を対象にした調査¹⁾によると、健康維持のための生活習慣「健康的な食生活」を意識している人は29％、「定期的な運動」を意識している人は39％で、なんと！23か国中最下位です。（ちなみにアメリカでは食生活61％、運動60％、同じアジアの国である中国においては食生活63％、運動67％です。）

Survey among more than 28,000 consumers in 23 countries – Which of these activities do you do regularly to maintain your physical health? (http://www.prnewswire.co.uk/news-releases/sleep-beats-healthy-eating-and-exercise-in-peoples-health-routines-287485031.html)

あなたも、健康維持のための健康習慣を意識することを怠り、医療に頼りきりになってはいませんか？

ここで、ちょっと例えをもちいて、簡単な質問です。

湖の真ん中でボートに乗っていたらボートの底に穴が開いて水が徐々に入ってきました！あなたならどうしますか！？

A：水を汲みだす　B：穴をふさぐ

この質問に対して、どちらが正解ということはありません。ですが、AとBでは意味合いが違いますね。Aは水が入ってくるという事に対する「対処」です。水は次々と入ってきますから、ずっと汲みだし続けなければなりません。これに対してB「根本解決」です。一度穴を塞いでしまえば、もう水が入ってくることはありません。

まいちゃんは、それで本能的にBのほうが良いと感じたのでしょう！

それでは、この例えを頭に置いて、病気のときの「対処」と「根本解決」について考えてみましょう。

お薬に頼りすぎるのが良くない理由は、それが対処でしかないからです。例えば、血糖値や血圧が高いから下げる薬、骨密度が低いから上げる薬・・・薬の成分は、体の神経伝達やホルモンの機能に影響することで、これらの数値（血糖値、血圧・・）を動かします。しかし、その効果があるのは、お薬を飲んでいる間だけです。湖のボートの例で言えば、水を汲みだしているAが、お薬です。これだと汲みだす作業をずーっと続けないと沈んでしまいますよね？

血糖値や血圧が高い、骨密度が低い等の状態に陥るのには原因があります。大抵の場合、食習慣や運動習慣が大きな原因となっています。その原因を取り除くことが根本解決ですよね？そしてそれは自分自身でできることなのです。湖のボートの例では、穴を塞ぐこと！これが根本解決ですよね？

そうです！そう考えてしまう人が多いのです！

さて、お薬に頼りすぎるのは良くないというお話をしましたが、体の緊急事態には、お薬が必要です。例えば血圧がすごく高い状態は、放置してしまうと血管が破裂してしまう可能性がある危険な状態です。これを根本解決するのには時間がかかります。そんな時には今その瞬間の危機的状況を回避してくれるお薬に頼るべきです。かかりつけの医師と相談しながら、お薬を使いながら（水を汲みだしながら）、生活習慣を改善する（あいた穴を塞ぐ）努力も同時に行いましょう。

健康を維持するためには、健康管理面での「自立」が重要です。つまり、自分自身で「健康的な食生活」と「定期的な運動」と「十分な睡眠」を管理し、健康を保つことです。これがセルフメディケーションなのです。

「自立」には、正しい知識を得るための勉強も大切です！そして、信頼できる専門家のサポートを受けることをお勧めします。実は、厚生労働省が皆様のセルフメディケーションのサポート役として期待しているのが町の薬局の薬剤師です。近くの薬局の薬剤師にどんどん相談してみましょう。薬剤師への相談は無料です。