2019年活動報告

1.清瀬市体育協会と協働して運営する「清瀬市 美しくウォーキング」を継続

明治薬科大学セルフメディケーション学研究室と清瀬市体育協会とで協働して「清瀬市 美しくウォーキング」を開催して本年で3年目となりました。本年は50名以上の参加申込があり、毎週火曜日に約30名の参加者と一緒にウォーキングしております。昨年まで歩いていたコースを大幅に変更し、清瀬駅から金山公園を経由して柳瀬川のほとりを歩くコース(約4 Km)と清瀬駅から中央公園経由し空堀川のほとりを歩くコース(約3.5 Km)の新たな2コースを用意して、参加者を飽きさせない工夫を凝らしました。また、特別コースとしてそれぞれ春と秋には、清瀬駅から六仙公園を経由して多摩六都科学館まで歩くコース(約5 Km)を企画し、到着後には多摩六都科学館内のカフェにて美味しいランチを食べ、世界一にギネス認定されたプラネタリウムを楽しむ等、大変好評でした。

ウォーキング時の運動強度を予測し、心臓への負担を予測し安全に歩いて頂く為に、ウォーキング前後には必ず脈拍測定を行い、脈拍の記録を毎回提出して頂きました。各コースともに公園での休憩時には、参加者の皆様に2人一組になって、ウォーキングフォームにおけるつま先の向きをお互いチェックして、つま先をまっすぐ進行方向に向けて内股や外股にならないように意識して歩く練習をし、またO脚気味の方にはO脚改善のためのストレッチを行うなど、美しいウォーキングフォームを目指すポイント指導も行いました。参加者の皆様には、「外股だったが真っすぐに歩けるようになった!」「少しずつO脚が改善されてきた!」と大変喜ばれました。

2.多摩六都科学館における地域の健康づくりプロジェクトを本研究室が監修

東京都西東京市にあり、小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市の5市で運営されている

多摩六都科学館では、地域の健康づくりプロジェクトを推進しており、本年は本研究室の協働で、「はかって知ろう 骨密度!」「ダンスdeカガク 楽しく動いて背筋ピン!」「ダンスdeカガク 大人のためのカタのほぐし方」「楽しい!嬉しい!美しい!健やかカラダづくり」の4つの企画を運営し、多くの方々にご参加頂きました。「はかって知ろう 骨密度!」では、来館者の皆様に骨密度測定にご参加頂き、ご自身の骨の健康について知って頂くとともに、パネル展示や薬剤師からのアドバイス等で、骨の健康を保つための食事や運動習慣について情報提供を行いました。「はかって知ろう 骨密度!」における測定結果は、本シンポジウムにて発表させて頂きます。「ダンスdeカガク 楽しく動いて背筋ピン!」では、小学生を対象に、真横から写真撮影することで姿勢のチェックを行い、良い姿勢を保つ大切さをミニ講義で伝えました。そして楽しくダンスをすることによって、姿勢が良くなった様子をご自身で確認して頂きました。「ダンスdeカガク 大人のためのカタのほぐし方」では、大人を対象として肩こりの評価を筋硬度計および肩関節可動域測定により行い、肩こりの原因とその改善方法について科学的に学んで頂きました。そして楽しいダンスによってこれらの数値が改善することを参加者の皆様にご実感頂きました。これらの成果については、来年のシンポジウムでその一部をご報告する予定です。どうぞご期待下さい!

そして、「楽しい!嬉しい!美しい!健やかカラダづくり」では、来館者の方のオーダーメイド健康支援(健康チェックおよび健康相談)に取り組みました。健康チェックでは、簡易血液チェックによるHbA1cやコレステロール値、骨密度、体組成、血圧等を測定し、健康相談では、これらの数値の改善あるいは疾病予防を目指すための食習慣や運動習慣の改善について薬剤師あるいは管理栄養士によるアドバイスを行いました。9月に3か月後の効果測定を行い、参加者の生活習慣が改善したことによって健康効果を得ております。本成果についても来年のシンポジウムでご報告したいと思います。

さらに、多摩六都科学館スタッフと一緒に地域の認知症カフェに参加して、「KAPLA®ブロック」を紹介する活動を行いました。「KAPLA®ブロック」とは、「ワンサイズの板」を積み重ねるだけで、建物や乗り物、動物まで作れるフランス生まれの木製ブロック(積み木)です。我々は、この「KAPLA®ブロック」を扱うことにより、楽しく遊びながら、想像力や注意力を使うことで脳を活性化させ、そして天然の木の香りや優しい接触音に癒されながら、認知機能低下の予防になる可能性があると考えており、多摩六都科学館との共同研究として進めています。成果が実りましたら、来年以降のシンポジウムにて発表をさせて頂きます。

さて、多摩六都科学館の中にある「からだの部屋」(身体のしくみを科学的に知るための展示室)では、セルフメディケーションについて紹介するブースを展示、本年も引き続き本研究室が情報提供、監修を行いました。来館した子供たちにも分かりやすいように「セルフメディケーション」や「病気の予防」について解説し、自分の健康を自分で守ることの大切さ、そのためには生活習慣としての適正な食習慣や運動習慣が重要であることを伝える内容となっています。サプリメントについての考え方など、身近な健康法についても解説しています。また、過去に行った健康づくりプロジェクトの成果の一部もご紹介しております。