新型コロナウイルス 感染と発症の違い編

新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の米国初の患者から分離した菌の透過電子顕微鏡写真。PHOTOGRAPH BY HANNAH A BULLOCK; AZAIBI TAMIN/CDC 新型コロナウイルス2020

感染者、発症者、なんてニュースでよく聞きますが、感染した=発症した人ではないんですか?

実は感染したからと言って、発症するとは限りません。
「感染」とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入、増殖すること。
「発症」とは、病気の症状があらわれること、を意味します。

ちなみに「感染症」とは、病原体の感染により身体に現れる症状=病気のことです。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の場合、このウイルスが細胞内に侵入し増殖したら「感染」したことになります。風邪のような症状(発熱、だるさ、咳、下痢、味覚異常など)が現れたら「発症」したと言います。

実は、「感染」したらすぐに「発症」するわけではありません。ウイルスに感染して発症するまでの間を潜伏期間といいます。

体には、ウイルスを退治する免疫機能が備わっています。この潜伏期間の間に免疫機能がウイルスを退治できれば、発症しません。しかし、免疫機能が低下しているとウイルスは増殖して、いずれ発症してしまいます。

つまり症状が出るかどうかは、免疫機能の強さで変わってくるということですね?