痛み止めは出来れば飲まないほうがいい

まいちゃん、親不知を抜いたんですね。痛み止めが出てますが、痛くなければ飲まないほうがいいですから、痛いときだけ飲んでくださいね

あ、はい。でも痛みが出る前に飲んだほうが効きやすいとか聞いたこともありますけど、痛み止めって飲まないほうがいいものなんですか?

どんなお薬でもそうですが、多かれ少なかれ副作用というものがあります。今回処方されているお薬は非ステロイド性の痛み止めで、通称NSAIDsと呼ばれるものです。ステロイドの副作用は割と認知されてきていますが、NSAIDsだって副作用はあるのです。

どんな副作用なんですか?

元々胃や十二指腸に潰瘍が出来てしまうなど、胃や十二指腸にダメージがあることは分かっていたのですが、最近の研究で小腸にもダメージを与えてしまうことが分かってきました

Matsui et al. 2011. The pathophysiology of non-steroidal anti-inflammatory drug (NSAID)-induced mucosal injuries in stomach and small intestine. Journal of Clin- ical Biochemistry and Nutrition 48(2): 107–111.

つまり小腸に潰瘍ができたり、クローン病の原因になったりする原因となる可能性があるわけです。

でも、痛いのは嫌だしな〜…長期間飲まなければ平気ですか?

残念ながら、飲む期間とはあまり関係なくダメージを与えることが報告されているんです。

Otani et al.Present issues and measures for NSAID-induced small intestinal damage.Clinical Rheumatology and Related Research 29:77-84.

だから痛くなければ飲まないでね、なんですね。

はい、ちょっと怖がらせてしまったけれど、日常生活に支障があるほど痛い場合には飲む必要があるかもしれませんし、副作用があるという事実は認識しておきながら飲むとき飲まないときをご自分で見極めてみてくださいね♪