コンドロイチンやグルコサミンを飲めば、膝の痛みは治るんですよね?
はい!と言いたいところですが・・はっきり「はい」とは言えないんです。
日本では、コンドロイチンは膝痛に効く医薬品、グルコサミンは食品(サプリメント)です。つまり、日本はコンドロイチンの効果は認めていて医薬品として承認しています。
ですが最近の研究では、コンドロイチンの効果についても疑問視する論文が次々と報告されていて、効果がない!とする研究者と、効果がある!とする研究者が、議論を繰り返している状態なんです。
S. Reichenbach, R. Sterchi, M. Scherer, S. Trelle, E. Burgi, U. Burgi, P. A. Dieppe, P. Juni, Meta-analysis: Chondroitin for Osteoarthritis of the Knee or Hip, Ann Intern Med. 2007;146:580-590.
Wu D, Huang Y, Gu Y, Fan W, Efficacies of different preparations of glucosamine for the treatment of osteoarthritis: a meta-analysis of randomised, double-blind, placebo-controlled trials. Int J Clin Pract. 2013Jun;67(6):58594.doi:10.1111/ijcp.12115.
じゃあ、膝が痛いときにはどうすればいいの?
痛みがひどいときには、病院で治療を受けましょう。膝の痛みで受診された場合には、変形性膝関節症と診断される方が多いと思います。ヒアルロン酸を間接に注射する方法や、痛み止めのお薬などで、痛みを抑えることができます。
これが、変形性膝関節症が起こる仕組みです。関節軟骨がすり減ってしまうことで、骨どうしがぶつかり、痛みを感じるようになります。
では、なぜ関節の軟膏が減ってしまうのでしょうか・・?
関節の軟骨では、その水分を維持するためにコンドロイチンが重要な役割を果たしています。
このコンドロイチンは、軟骨細胞が合成しています。
ただ、軟骨には血管がありません。では、どうやって軟骨細胞に酸素や栄養を送っているのでしょうか?
血管は軟膏の外側の関節液を囲む滑膜まで、伸びています。この滑膜の血管と関節液の間で栄養や酸素が交換できるようになっています。
そしてこの関節液から栄養や酸素が軟骨内に取り込まれるのが、どんなタイミングで行われるかというと、体重がかかったり、過重が減ったりするときなのです。
関節に体重がかかると(座っていたところから立ち上がる、歩くときの前側の足)軟骨内の水分が押し出されます。そして過重が減った時(立っていたところから座る、あるいは歩くときの後ろ側の足)、関節液が軟骨内に吸いこまれます。このとき一緒に栄養と酸素が吸収されるわけです。
つまり、動いた方が栄養を軟骨に届けることが出来る訳ですね!
痛みが軽度で、歩ける方は歩きましょう!
それが関節のクッションをしっかりとつくることにつながるんですよ。