胃腸薬は出来れば飲まない方がいい

お薬

忘年会にクリスマスやお正月!ごちそうを食べる機会が多い時期だから、胃腸薬を買っておこうと思うのですが…いっぱいあるので選び方を教えて貰えませんか?

うーん…できればそんな理由で買ってほしくないんですよね~

え?なぜですか?

痛み止めのときもお話しましたが、どんなお薬も副作用と効果を天秤にかけて、効果を優先させたい場合に利用してほしいのです。

胃腸薬にはどんな副作用があるんですか?

胃腸薬には、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、H2ブロッカー、漢方系、制酸系、酵素系など多くの種類があります。制酸系の胃腸薬を飲むと4倍、PPIを飲むと3倍、H2ブロッカ―を飲むと1.5倍肺炎にかかるリスク高くなるという報告があります。

Laheij RJ et al. Risk of community-acquired pneumonia and use of gastric acid-suppressive drugs   2004 Oct 27;292(16):1955-60.

何ででしょうか?

報告の中で原因を断定している訳ではありませんが、私の仮説はこうです。
胃腸薬は胃酸を中和させたり、分泌を止めたりするお薬です。でも、胃酸は食べたものを消化するというお仕事の他に、外部からの侵入者を食い止めるというお仕事をしています。胃腸薬で胃酸の働きを弱らせることで、外部からの侵入(菌など)を許してしまったのではないでしょうか?

なるほど…。

また、75歳以上の被験者での研究ですが、PPIを日常的に服用している場合は認知症の発症率が服用していない場合に比べて1.44倍高かったという報告もあります。
Gomm W et al. Association of Proton Pump Inhibitors With Risk of Dementia: A Pharmacoepidemiological Claims Data Analysis.  2016 Apr;73(4):410-6. doi: 10.1001/jamaneurol.2015.4791.

胃腸薬にそんな副作用があったなんて!気軽に飲んじゃいけませんね…。

知識をもって天秤にかけて、辛いときには「効果」を優先してお薬を飲むようにしましょう、がまんできるときには「副作用」を避けることを優先してお薬を飲まないなど、上手に使い分けることです!